昭和42年10月1日
厚岸町太田5の通り
太田屯田の桑並木は、太田5の通りの牧草地の境界約150mにわたって植えられている高さ8m、幹周約60cmのヤマグワ(落葉広葉樹)の並木です。
明治23年(1890)に屯田兵が入植しましたが、太田村では元来野桑が多かったこともあって、3年間の現役終了後は大いに養蚕を奨励しました。明治26年(1893)桃井新氏(福井出身で第4中隊軍曹)が初めて養蚕を試み、その結果が良好だったので年々飼育者が増加し、同29年には札幌から桑苗を取り寄せて植えてみましたが、枯れるものが多く、かえって野桑の方がよく成長しました。
一時は千株以上植えた家もありましたが、気候の変化などで死蚕が多く収繭も減り、年々飼育者が減少して桑株は放棄されたり、伐採されていきました。
このような歴史の中で今日まで残っているこの並木は、屯田兵の苦労と開拓の歴史を知る上で、大変貴重なものです。
車の場合、厚岸駅より約6km
道道標茶厚岸線より見ることができます。