昭和35年10月1日
厚岸町湾月1丁目5(国泰寺境内)
国泰寺の境内に建てられている仏牙舎利塔は、天保13年(1842)に6世住職香国が、トカチ、クスリ(釧路)など近隣6場所の有志の寄進を募って建立した高さ約3mの石塔です。
「仏舎利」とは、お釈迦様の遺骨のことで、その中で特に歯のことを「仏牙」と呼んでいます。塔の中には文化2年(1805)初代住職の文翁が奈良の唐招堤寺から鎌倉の華蔵庵に伝来していたものを譲り受けた3粒と、天保11年(1840)香国が鎌倉円覚寺より分譲された1粒が舎利容器に入れられて納められています。
塔石は花崗岩で、厚岸場所請負人山田文右衛門の持ち船、順悦丸(1100石積)で千葉から運ばれ函館や松前の石工によって建てられました。これについては『日鑑記』の中で、天保14年5月24日に仏舎利を入塔し開帳法要を行ったことが記されています。
当初の位置は海岸寄りでしたが、地震等で塔体が傾いたので14世住職天門が有志の後援を得て昭和12年現在地に移転修築しました。