「お祭りと愛着度」~ふるさと教育を考える①
今年も7月に「厚岸港まつり・あっけし夏まつり」が盛大に行われました。市中大パレードでは、町内の小中学校の児童生徒が参加し、たくさんの沿道の町民に見守られ厚岸音頭を披露しました。終了後、子ども達に感想を聞くと、「恥ずかしかったけど、とても楽しかった!」「思っていたより上手に踊れました。」と話してくれる子、中には「まだまだ踊れるよ!」と元気の良い子もいて頼もしさを感じました。 さて、7~8年前になりますが、報道機関が行った「ふるさとへの愛着度調査」において、厚岸の子ども達の愛着度はかなり高い傾向にあることが報道されました。その要因として、「自然が豊か」「食べ物がおいしい」などと合わせて「お祭りが好き」と回答した子も多いことから、ふるさとに対する愛着度は「お祭り」なども大きく影響しているようです。獅子舞の笛の音であったり、牡蠣やつぶを焼く匂いだったり、山車の上から見る景色だったり・・・。厚岸の子は、厚岸特有の五感がこの時期に育まれるのではないかと考えたこともありました。また、春の「桜・牡蠣祭り」、初夏の「あやめまつり」、秋の「牡蠣まつり」や、冬にはイベントなども始まり、厚岸の子は1年を通して、ふるさとを五感で楽しむ機会に恵まれています。 一方で、お祭りに参加することは、子ども達が「町づくりに参加する」「町づくりの主体者となる」そのような側面があると考えています。例えば、市中パレードで、あやめ色の法被を着た子ども達の大隊列は壮観の一言に尽きます。沿道の町民からも拍手や歓声が上がります。「最後に、厚岸町を担う子ども達が踊ります!」とのアナウンスに、沿道全体が一層盛り上がります。町を元気にする側、祭りを盛り上げる側に子ども達がいることに、うれしさを感じた一場面でした。 脈々と受け継がれる伝統・文化。それらが大切にされている町であることに誇りをもつ子どもに育ってほしいと願うばかりです。 市中パレードの後は、町民花火大会。今年は、あいにく雲が低かったため、上空の花火までは見えづらかったのですが、海面を鮮やかに彩る花火に、大人も子どもも「ふるさと厚岸の夏」を楽しんだひとときでした。
令和6年7月 厚岸町教育委員会 教育長 滝川 敦善
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教育長就任あいさつ ~郷土に立ち、未来を見つめ、共に歩む人を育む~